特集 痛みを伴う皮膚病
臨床例
human adjuvant disease
伊藤 雄太
1
,
奥村 恵子
,
神山 泰介
,
大歳 晋平
,
中田 土起丈
1昭和大学藤が丘病院 皮膚科
キーワード:
異物
,
MRI
,
術後合併症
,
鑑別診断
,
乳房疾患
,
脂肪組織炎-エリテマトーデス
,
発疹
,
乳房インプラント
,
豊胸術
,
強皮症-びまん性
,
アジュバント病
Keyword:
Breast Diseases
,
Diagnosis, Differential
,
Foreign Bodies
,
Exanthema
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Postoperative Complications
,
Panniculitis, Lupus Erythematosus
,
Breast Implants
,
Breast Implantation
,
Scleroderma, Diffuse
pp.413-416
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017188335
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<症例のポイント>human adjuvant disease(HAD)は、主に美容形成術のために使用されたパラフィンやシリコン等の異物が体内に長期間存在することにより発症する膠原病様の疾患である。自験例では47年前に豊胸術が施行され、両側乳房下部外側に浸潤を触れる紅斑局面が出現した。豊胸術の施行部位と一致し、異物除去術後は速やかに皮疹の消褪が認められたことからHADと診断した。自験例では、豊胸術に用いられた物質は不明であったが、47年前という施行時期よりシリコンを直接注入された可能性が高い。近年アジュバント物質によって生じる自己免疫疾患様の病態をautoimmune/inflammatory syndrome induced by adjuvants(ASIA)と総称する概念が提唱されている。
Copyright© 2017 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.