特集 遺伝子検索を行った皮膚病
臨床例
皮膚がんを生じていない色素性乾皮症バリアント型の1例
川上 由香里
1
,
正木 太朗
,
橋本 公二
,
錦織 千佳子
1神戸大学 大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野
キーワード:
ヘテロ接合体
,
乾皮症-色素性
,
黒皮症
,
鑑別診断
,
変異
,
配列分析
,
RT-PCR法
,
色素異常症-遺伝性対側性
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Heterozygote
,
Melanosis
,
Mutation
,
Xeroderma Pigmentosum
,
Sequence Analysis
,
Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction
pp.817-820
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016356566
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<症例のポイント>色素性乾皮症バリアント型は、DNA複製時の損傷乗り越え機構に関わるDNAポリメラーゼη(POLH)の機能欠損により発症する常染色体劣性遺伝性疾患である。本邦の色素性乾皮症バリアント型の遺伝子変異箇所は特定の4ヶ所に集中する傾向があり、自験例でもヘテロ接合性変異の1つはこのホットスポットに変異がみられた。自験例は皮膚がんをまだ生じていないが、将来的に皮膚がんを発症する可能性があるため、定期的な皮膚がんのチェックが必要で引き続き遮光指導することが大切である。
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