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オステオネットワークについて
寺島 明日香
1
,
高柳 広
1東京大学 大学院医学系研究科骨免疫学寄附講座
キーワード:
化骨-異所性
,
骨芽細胞
,
骨基質
,
骨形成
,
破骨細胞
,
骨組織リモデリング
Keyword:
Bone Matrix
,
Osteoclasts
,
Osteogenesis
,
Ossification, Heterotopic
,
Osteoblasts
,
Bone Remodeling
pp.662-669
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016320836
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骨は,身体を支え運動を可能にするのみならず,細胞の生命維持に必要なミネラルを貯蓄し代謝を制御している.さらに,骨髄では血球系細胞の分化を維持することで免疫反応にも影響を与えており,われわれが生存するうえで欠かせないさまざまな活動を可能にする複合的な機能をもつ.骨組織では骨を吸収する破骨細胞と骨形成を行う骨芽細胞が骨の再構築(骨リモデリング)を絶えず行っている.さまざまな刺激に応じて産生される種々のホルモン,サイトカインなどにより,骨リモデリングがバランス良く調節されることで,適切な骨量・骨質が保たれる.この骨吸収と骨形成の恒常性が破綻すると,骨粗鬆症,自己免疫関節炎,骨Paget,歯周病,骨腫瘍などの骨代謝関連疾患が引きおこされる.また,他臓器からの液性因子が骨組織に影響を与えることに加えて,骨構成細胞から産生される因子も,他臓器の調節に関わることが示されており,生体機能の恒常性に重要であることも明らかとなっている.ここでは,骨組織を中心とした多臓器間の連携,さらに骨組織中の細胞間相互作用因子研究の基礎研究の最前線について概説したい.(「はじめに」より)
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