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Nantaの骨性母斑
勝俣 道夫
1
1NTT東日本伊豆病院 医療技術協力センター
キーワード:
骨形成
,
発生率
,
皮膚疾患-顔面
,
表皮嚢胞
,
母斑-色素性
,
肉芽腫-異物
,
皮膚骨腫
Keyword:
Facial Dermatoses
,
Epidermal Cyst
,
Osteogenesis
,
Nevus, Pigmented
,
Granuloma, Foreign-Body
,
Incidence
pp.654-660
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016320835
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皮膚に生ずる異所性骨形成は,先行病変のない原発性皮膚骨腫と先行病変に続発して生ずる二次的骨形成に大別され,後者は真の腫瘍ではないが続発性皮膚骨腫とも呼称される.さらに二次的骨形成を認める病変としては,毛母腫,基底細胞癌,附属器腫瘍,線維組織球性の増殖病変や外傷,慢性炎症が知られている.同様の所見は色素性の増殖病変においても認められ,とりわけ色素細胞母斑にみられる二次的骨形成はNantaの骨性母斑(以下,本症)と呼称されている.皮膚科においては日常診療上,色素細胞母斑を切除して病理組織学的に検討する機会が多く,読者諸氏も本症に遭遇する可能性が少なからずあるかと思われるが,筆者は過去に34例(38個)の本症を経験しているので,この機会に自験例を中心に本症の臨床および病理組織学的特徴を概説し,併せて発生頻度,顔面に好発する理由,二次的骨形成が生じる機序についても言及してみたい.なお,症例1~3についての詳細は文献3で,症例10までの症例の概略は文献4で,症例16についての詳細については文献5で報告済みである.(「はじめに」より)
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