特集 鑑別に苦慮した皮膚病(2)
臨床例
虚偽性障害(ミュンヒハウゼン症候群)により壊疽性膿皮症様の潰瘍を呈した症例
沼田 貴史
1
,
内山 真樹
,
福原 祐衣
,
平山 真帆
,
白井 浩平
,
藤城 幹山
,
坪井 良治
,
大久保 ゆかり
1東京医科大学 皮膚科学講座
キーワード:
Muenchausen症候群
,
Prednisolone
,
静脈不全
,
鑑別診断
,
多発動脈炎-結節性
,
経口投与
,
膿瘡
,
皮膚潰瘍
,
膿皮症-壊疽性
Keyword:
Administration, Oral
,
Diagnosis, Differential
,
Ecthyma
,
Munchausen Syndrome
,
Polyarteritis Nodosa
,
Prednisolone
,
Skin Ulcer
,
Venous Insufficiency
,
Pyoderma Gangrenosum
pp.599-602
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016271490
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<症例のポイント>虚偽性障害(ミュンヒハウゼン症候群)に伴う自傷行為によって四肢と腹部に潰瘍が多発し、壊疽性膿皮症(以下、PG)様の皮疹を生じた1例を報告した。潰瘍周囲は発赤を伴い、辺縁は堤防状に隆起していた。潰瘍底は穿掘状で表面に黄色壊死組織を認めた。病理組織学的には皮下脂肪織を主体に出血と多数の好中球が浸潤し膿瘍を形成していた。一部の脂肪組織の変性と壊死がみられた。皮疹の分布や経過が典型的ではないPG様皮疹をみた際には虚偽性障害に伴う潰瘍を鑑別に考える必要がある。
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