特集 滲出性紅斑とその周辺
臨床例
多形滲出性紅斑の経過中にリウマチ熱の併発が強く疑われた症例
新島 靖子
1
,
多田 弥生
,
萩原 清文
1立正佼成会附属佼成病院 皮膚科
キーワード:
Penicillin G Benzathine
,
Stevens-Johnson症候群
,
紅斑-多形性
,
鑑別診断
,
経口投与
,
リウマチ熱
Keyword:
Administration, Oral
,
Diagnosis, Differential
,
Erythema Multiforme
,
Penicillin G Benzathine
,
Rheumatic Fever
,
Stevens-Johnson Syndrome
pp.127-130
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014189098
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<症例のポイント>コントロール不良の糖尿病を背景として、咽頭痛と発熱と同時に多形滲出性紅斑を発症し、引き続いてリウマチ熱の併発が強く疑われた高齢男性を経験した。さまざまなウイルス、細菌、薬剤等が発症の誘因となるが、報告例は少ないものの、溶連菌も原因の1つである。リウマチ熱はA群β溶連菌の菌体成分とヒト組織との交差反応によって発症する全身性炎症性疾患であり、学童期に好発するが、成人発症例もまれに報告されている。自験例において溶連菌感染は証明されなかったが、多関節炎、輪状紅斑、心電図上のPR延長所見、発熱、炎症反応を認め、さらにペニシリン系抗生薬が奏効した経過から、リウマチ熱の合併が積極的に疑われた。
Copyright© 2014 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.