症例
発熱と小関節病変から発症した移動性関節炎のみを呈した急性リウマチ熱の男児例
玉村 宗一
1
,
田中 奈々絵
,
森 夕起子
,
渡邉 康宏
,
谷口 義弘
1福井赤十字病院 小児科
キーワード:
Amoxicillin
,
Naproxen
,
Penicillin G Benzathine
,
鑑別診断
,
経口投与
,
発熱
,
リウマチ熱
Keyword:
Administration, Oral
,
Amoxicillin
,
Diagnosis, Differential
,
Fever
,
Naproxen
,
Penicillin G Benzathine
,
Rheumatic Fever
pp.1063-1067
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2016355707
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症例は9歳男児で、体育の授業中に右第1趾のMP関節と同側の踵に疼痛が出現し、発熱も認めた。発熱は持続し、第3病日には左側の第1趾MP関節と踵にも同様の疼痛を呈し、歩行困難となった。血液検査では好中球優位の白血球増多ならびにCRP高値を認めた。免疫学的検査ではASOの上昇を認めた。第4病日よりセファゾリンナトリウム(CEZ)点滴静注を開始し、疼痛と発熱に対してはアセトアミノフェンを頓用で使用した。一時的な解熱効果は認められるものの、疼痛と発熱は持続した。第8病日には下肢の疼痛はいずれも消失したが右肘関節の疼痛、腫脹が出現した。急性リウマチ熱(ARF)の基準を満たすためCEZを中止し、ナプロキセン内服を開始した。第35病日にはナプロキセン内服を中止としたが、発症後約6ヵ月の段階で再燃なく経過し、心エコーでも異常所見を認めていない。
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