特集 網状を呈する皮膚疾患
臨床例
皮膚症状により早期に発見された高安動脈炎
岡村 賢
1
,
紺野 隆之
,
荒木 勇太
,
荒木 由梨
,
大浪 千尋
,
佐藤 文子
,
市川 一誠
,
今田 恒夫
,
鈴木 民夫
1山形大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Methylprednisolone
,
Prostaglandins
,
Warfarin
,
鑑別診断
,
高安動脈炎
,
多発動脈炎-結節性
,
皮膚疾患-下肢
,
パルス療法(薬物療法)
,
胸部CT
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Leg Dermatoses
,
Methylprednisolone
,
Prostaglandins
,
Polyarteritis Nodosa
,
Takayasu Arteritis
,
Warfarin
,
Pulse Therapy, Drug
pp.259-262
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014143316
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<症例のポイント>高安動脈炎(大動脈炎症候群)の皮膚合併症としては壊疽性膿皮症や結節性紅斑が多く報告されている。高安動脈炎に皮膚型結節性多発動脈炎を合併したとする報告はまれであるが、同症に合併する壊疽性膿皮症や結節性紅斑の皮疹部に小血管レベルの壊死性あるいは肉芽腫血管炎が証明されたとする報告が近年多くみられ、高安動脈炎では大血管だけでなく、皮膚などの小血管にも炎症が波及し皮膚症状を呈するという考え方が提唱されている。高安動脈炎の発症に大動脈を栄養する血管系(vasa vasorum)の炎症が関与するという報告があり、このvasa vasorumのサイズが皮膚小動脈レベルのそれと近似していることは興味深い。自験例のように皮膚病変から高安動脈炎が発見される例はまれではなく、高安動脈炎の早期マーカーにもなりうると考えた。
Copyright© 2014 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.