特集 薬疹-2013
臨床例
Sezary症候群に対するボリノスタット療法中に生じたWells症候群
白井 浩平
1
,
三橋 善比古
,
臼田 俊和
,
大久保 ゆかり
1東京医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Sezary症候群
,
鑑別診断
,
経口投与
,
免疫組織化学
,
Vorinostat
,
Wells症候群
Keyword:
Administration, Oral
,
Diagnosis, Differential
,
Immunohistochemistry
,
Sezary Syndrome
,
Vorinostat
pp.1177-1180
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014067183
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<症例のポイント>Sezary症候群に対し、ヒストン脱アセチル化阻害薬であるボリノスタット(ゾリンザ)を投与中にWells症候群を発症した1例を報告した。ボリノスタットはヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬で、癌抑制遺伝子の発現を上昇させることで腫瘍増殖を抑制すると考えられている。Wells症候群(好酸球性蜂巣炎)は、臨床的に細菌性蜂窩織炎、丹毒などに似るが、組織で著明な好酸球浸潤を呈する非感染症疾患である。虫刺症、ウイルス感染、寄生虫感染、薬剤、接触皮膚炎、悪性腫瘍、骨髄増殖性疾患、ワクチン接種、出産などが誘因となって生じるとされる。
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