治療
末梢性T細胞リンパ腫-非特定型
中野 敏明
1
,
衛藤 光
1聖路加国際病院 皮膚科
キーワード:
下痢
,
体重減少
,
口内乾燥症
,
脱水症
,
投薬計画
,
疲労
,
免疫組織化学
,
リンパ腫-末梢性T細胞性
,
乾皮症
,
Vorinostat
Keyword:
Diarrhea
,
Dehydration
,
Drug Administration Schedule
,
Fatigue
,
Ichthyosis
,
Immunohistochemistry
,
Xerostomia
,
Weight Loss
,
Lymphoma, T-Cell, Peripheral
,
Vorinostat
pp.370-375
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014237175
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74歳男性。右足蹠に腫瘤が出現し四肢にも新生するため受診となった。所見では両側上腕、左手背、手指および右大腿に2×2cm大の暗赤色ドーム状に隆起する腫瘤が孤立性に多発していた。また、右足蹠には5×5cm大の中央に潰瘍を伴う腫瘤が認められ、足全体にびまん性の紅斑を伴っていた。しかし、皮膚病変にそう痒や痛みはなく、表在リンパ節の腫脹や発熱など全身症状もなかった。一方、左上腕の腫瘤からの皮膚生検による免疫組織染色所見では腫瘍細胞はCD20、CD79aは陰性で、CD3、CD5が陽性であり、T細胞性を示し、CD4優位であることから成熟CD4陽性T細胞リンパ腫と診断された。以後、治療としてシクロフォスファミド(50~100mg/日)を外来通院で約3ヵ月行ったが効果が不十分であったため、メトトレキサート(10mg/週)+プレドニゾロン(20mg/日)の併用療法に変更したが、2ヵ月経過でmSWAT(modified severity weighted assessment toll score)が24点まで悪化、中止とした。そこで、ボリノスタット(300mg/日)を週5回から開始、3週目より300mg/日連日投与に変更した。その結果、3週目にmSWATは42点まで悪化がみられたものの、腫瘤は急速に消退して、投与3ヵ月目にはmSWATは2点まで改善した。
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