特集 強皮症およびその関連疾患
臨床例
乳房針生検部より限局性強皮症を発症した例
荒瀬 規子
1
,
千田 聡子
,
井川 健
,
片山 一朗
1大阪大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
強皮症-限局性
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
経皮投与
,
乳房腫瘍
,
針生検
,
Suplatast Tosilate
,
Tranilast
,
Tretinoin Tocoferil
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Administration, Oral
,
Breast Neoplasms
,
Biopsy, Needle
,
Drug Therapy, Combination
,
Scleroderma, Localized
,
Tranilast
,
Suplatast Tosilate
,
Tocoretinate
pp.949-952
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014038307
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<症例のポイント>限局性強皮症発症メカニズムは不明であるが、誘因として内的要因と外的要因が示唆されていた。外的要因としては外傷、手術侵襲、放射線照射、ウイルス感染やボレリア感染、BCGワクチン接種、妊娠、シリコン補綴、ウイルス由来ファクター、毒素因子、神経学的な因子、などが想定されている。以前、ペニシリンや局所麻酔の注射部位に限局性強皮症が発症した報告があったが、今回私たちは薬物注入や感染を伴わない無菌的針生検という微小な物理的要因のみが限局性強皮症の発症に関与したと考えられる初めての報告を行った。このような微小物理刺激が強皮症を発症するメカニズムを解明することが、全身性強皮症を含めた強皮症の病態解明につながればと考えている。
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