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指趾壊疽・潰瘍をきたした強皮症6症例 画像的血管変化の検討
永田 尚子
1
,
種村 篤
,
東原 大樹
,
片山 一朗
1大阪大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
壊疽
,
強皮症-限局性
,
足指
,
MRA
,
足部潰瘍
,
CT血管造影
,
末梢動脈疾患
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Gangrene
,
Scleroderma, Localized
,
Toes
,
Foot Ulcer
,
Magnetic Resonance Angiography
,
Peripheral Arterial Disease
pp.916-923
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014038300
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指趾の壊疽・潰瘍は膠原病の血管病変において治療に難渋する臨床症状の1つであり,しばしばQOLの低下や生命を脅かす感染症を併発する.その原因として,Raynaud現象や血管炎に加え,強皮症においては,内皮細胞の機能異常などにより,末梢動脈の内腔狭窄や新生血管減少が生じ難治性の皮膚潰瘍を生じると考えられている.一方,指趾に潰瘍・壊疽をきたす原因疾患は多岐にわたっており,主に糖尿病・高血圧・脂質異常症を合併している症例では,末梢の動脈硬化性変化に起因するperipheral arterial disease (PAD)などを併存したり,PADの悪化をRaynaud現象・血管炎の増強と誤診することも少なくない.これらの複雑な病態により形成される肢端壊疽に対し,全身的なステロイド投与はときに血漿過粘稠や血小板凝集を亢進させて,より壊疽を悪化させる危険がある.それゆえ,このような病状に対してもっとも適した治療プロトコールを決定するうえで,速やかで侵襲の少ない正確な動脈循環の評価が必要である.(「はじめに」より)
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