特集 総排泄腔遺残症
総排泄腔遺残症の至適手術時期
望月 響子
1
,
西 盛宏
2
Kyoko Mochizuki
1
,
Morihiro Nishi
2
1神奈川県立こども医療センター外科
2神奈川県立こども医療センター泌尿器科
pp.1130-1133
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001365
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はじめに
総排泄腔遺残症の至適手術時期は病態や併存疾患の有無によって異なる。多彩な病態を示すため再建方法を含めた治療方針決定については個々の病態にあわせた検討が求められる1~3)。多くは新生児期早期の人工肛門造設から始まる多段階手術となり,根治術は乳幼児期に尿道・腟・肛門一期的再建が行われる4~6)が,合併症に対する追加手術の必要性の高さから思春期前の腟再建を推奨する意見もある1)。腟再建に限らず根治術後も思春期以降のQOL向上を目指した追加治療を要する場合があり2),小児外科・泌尿器科・産婦人科・小児科の多科連携チームによる評価と治療戦略が重要となる。今回,排便・排尿・生殖器管理それぞれにおける至適手術時期について述べ,当院の治療経験をもとにテイラーメイド治療の具体例を提示する。

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