特集 医工・産学連携
小児内視鏡外科手術用の細径多自由度持針器の開発
高澤 慎也
1
,
石丸 哲也
2
Shinya Takazawa
1
,
Tetsuya Ishimaru
2
1東京大学医学部附属病院小児外科
2国立成育医療研究センター外科
pp.980-983
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001317
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はじめに
小児外科領域における内視鏡外科手術(minimally invasive surgery:MIS)は,技術の進展とともに急速に普及し,現在では胸腔内および腹腔内の大部分の手術が内視鏡下にて施行可能であり,保険適用も認められている。2021年のNational Clinical Database(小児外科領域)Annual Report1)によると,虫垂切除術の腹腔鏡施行率は87.2%,噴門形成術は82.5%と,手技の習得が比較的容易なものは多くの施設で腹腔鏡下にて行われている。しかし,胆道閉鎖症の腹腔鏡施行率は16.7%,食道閉鎖症の胸腔鏡施行率は20.9%と,高度な縫合技術を要する手術においては,いまだ内視鏡による施行例も限られている。

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