特集 小児外科疾患のQOL;最近の話題
当施設における先天性横隔膜ヘルニアのECMO使用の実態と転帰,およびECMO使用生存例の長期予後
梅田 聡
1
,
臼井 規朗
1
Satoshi Umeda
1
,
Noriaki Usui
1
1大阪母子医療センター小児外科
pp.496-499
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001190
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はじめに
内科的管理が困難な肺高血圧症や呼吸不全を呈する重症の先天性横隔膜ヘルニア(congenital diaphragmatic hernia:CDH)では,膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)が使用されることがある。CDHにおけるECMO使用の有益性については議論の余地があり,ECMO使用例では非使用例と比較して神経発達障害,呼吸器合併症,成長不全などの重大な合併症が高いとの報告もある1)。また,ECMO使用の課題として,ECMOの使用率や死亡率,およびその有効性に関するデータが限られていること,標準化されていないこと,などがあげられる2)。

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