特集 代謝性疾患と皮膚病
臨床例
急激な肥満に伴い生じたchronic obesity lymphoedematous mucinosis
徳田 安孝
1
,
新倉 冬子
,
河内 繁雄
,
中澤 功
1国立病院機構まつもと医療センター松本病院 皮膚科
キーワード:
下肢
,
浮腫
,
糖尿病-2型
,
肥満
,
致死的転帰
,
病勢悪化
,
ムチン沈着症
,
糖尿病性合併症
,
腎機能障害
,
コロイド鉄染色
Keyword:
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Edema
,
Obesity
,
Fatal Outcome
,
Mucinoses
,
Disease Progression
,
Lower Extremity
,
Diabetes Complications
,
Renal Insufficiency
pp.633-636
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017263812
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<症例のポイント>近年まで脛骨前部へのムチンの沈着は脛骨前粘液水腫とほぼ同義として扱われてきた。2006年、私たちは甲状腺機能が正常で、高度の肥満患者の下腿にpitting edemaと局面等の皮疹の真皮にムチンの沈着を認めた3例をchronic obesity lymphoedematous mucinosis(以下、COLM)と命名し、Br J Dermatol誌上に報告した。現在までに10例の症例の集積がある。症例は10年前より2型糖尿病の診断を受けていたが治療を拒否していた。COLM発症の約1年前、足趾の糖尿病性壊疽にて入院加療し、4ヵ月後に上皮化して退院した。患者は食事療法を拒否し、1ヵ月に2kgずつ体重が増加した。退院8ヵ月後、糖尿病性腎症にて緊急搬送された。患者の身長は165cmで退院時65kgだった体重が93kgまで増加していた。両下腿に著しいpitting edemaと不整形局面を認め、真皮上層にムチンの沈着を認めた。報告10症例の臨床症状と病理組織学的所見の検討を行った。
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