特集 門脈血行異常に対する治療up to date
Fontan手術後の門脈体循環シャント
鈴木 健斗
1
,
文野 誠久
1
,
小野 滋
1
Kento Suzuki
1
,
Shigehisa Fumino
1
,
Shigeru Ono
1
1京都府立医科大学小児外科
pp.443-446
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000809
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はじめに
先天性門脈体循環シャント(congenital portosystemic shunts:CPSS)は,胎生期における血管発生の異常により門脈血が直接体循環へ流入する血管異常である1)。一般的に,門脈血流がシャント血管を介して肝臓での代謝を経ずにバイパスするため,高アンモニア血症,高マンガン血症,肝肺症候群,肝性脳症,肝腫瘍など多様な症状をきたしうる。根治のためにはシャント血流の遮断が必要であるが,肝内門脈の低形成の程度やシャント血管の位置や流入部位・形状に応じて,シャント血管の結紮や塞栓,肝移植など個別に治療法を選択する必要がある2,3)。
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