Japanese
English
特集 静脈系疾患診療の新しい展開
Budd-Chiari症候群
Budd-Chiari Syndrome
上池 渉
1
,
清水 重臣
1
,
中尾 量保
2
,
宮田 正彦
2
,
松田 暉
2
Wataru KAMIIKE
1
1大阪大学医学部第1外科
2大阪警察病院外科
キーワード:
Budd-Chiari症候群
,
PTA
,
Senning手術
Keyword:
Budd-Chiari症候群
,
PTA
,
Senning手術
pp.699-708
発行日 1994年6月20日
Published Date 1994/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901560
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Budd-Chiari症候群の病態の中心は,肝静脈血の流出障害による肝うっ血ならびにそれに起因する門脈圧亢進状態にある.われわれは,従来,肝部下大静脈における閉塞を解除するとともに,可能な限り肝静脈閉塞を解除するべく直視下手術を行ってきた.近年は,PTA(percutaneous transluminal angioplasty)などの非観血的治療法の発達により手術対象症例は若干減少してきていると思われるが,下大静脈閉塞がlong segmentの症例や,short segmentの症例でも肝静脈閉塞がcentral typeのものでは,直視下手術の適応になると思われる.直視下手術の術式選択においては,Senning法がより根治性の高い術式と考える.本法は肝静脈閉塞をより広範囲に解除しうるため,術後の血行動態の改善,組織像の改善に寄与し,ひいては生命予後の改善に貢献すると考えている.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.