特集 小児領域におけるGLP-2アナログ製剤(テデュグルチド)の応用
総論
臨床効果
千葉 正博
1
,
唐沢 浩二
1
,
岡本 まとか
1
Masahiro Chiba
1
,
Kouji Karasawa
1
,
Matoka Okamoto
1
1昭和大学薬学部臨床薬学講座臨床栄養代謝学部門
pp.330-334
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000776
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はじめに
短腸症候群患者は,退院後に在宅で長期間にわたって多種の医療的ケアが必要となる。これらのケアを支えていくためには,いくつかの問題点を解決する必要がある。たとえば,活動性を向上させるべく,在宅中心静脈栄養法(home parenteral nutrition:HPN)を間歇投与とするなどの工夫を進めていくものの,低血糖や脱水などの症状のため完全には移行が困難な場合がある。HPNの継続が長時間となると,HPNそのものが社会生活に影響してくる場合が見受けられるようになる。これらの患者では,身体的のみならず心理的・社会的な負担が高まってくることから,余暇活動,社会生活や家庭生活などに影響し,睡眠障害や慢性疲労に苦しむことなどが問題となる1)。これらの症状を改善するためには,腸管馴化を可能な限り進めてHPNからの早期離脱をはかることが重要である。
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