特集 周産期と最先端サイエンス
新生児領域
AIを応用した便色判定アプリケーションによる胆道閉鎖症早期発見の試み
大畠 雅之
1
,
藤枝 悠希
1
,
林 邦好
2
,
星野 絵里
3
OBATAKE Masayuki
1
,
FUJIEDA Yuki
1
,
HAYASHI Kuniyoshi
2
,
HOSHINO Eri
3
1高知大学医学部附属病院小児外科
2学校法人京都女子学園京都女子大学宗教部宗教教育課宗教・文化研究所
3立命館大学総合科学技術研究機構医療経済評価・意思決定支援ユニット(CHEERS)
pp.1018-1022
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000249
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はじめに
医療分野におけるAI技術は,画像診断,電子カルテ情報解析,ゲノム解析,診療器具への組み込みなどですでに活用あるいは今後の応用が期待される。なかでも画像診断は応用が早かった分野でX線やCT,MRI画像の診断などでは異常の見逃し防止や微細病変の早期発見が期待されている。2014年から母子健康手帳に添付された便色カラーカード(SCC)を利用した胆道閉鎖症(BA)スクリーニングは広く認知されている方法で,わが国だけでなく海外での導入やパイロットスタディが実施されている1~3)。わが国のSCCは十二指腸に分泌される胆汁酸量により変動する便色を薄い1番から濃い7番まで並べたもので,4番~7番が正常と判定される。以前からSCCで正常と判定された便色でBAが発症する事例の報告があり,肉眼による主観的判定の限界と考えられていた。今回「物の特徴」を見つけ出すことに高い性能をもつAI技術を応用した便色判定アプリケーションを利用して,BAスクリーニングとしての有用性について検証した。
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