特集 小児の便秘:最近の知見
ポリエチレングリコールによる便秘症治療
大畠 雅之
1
,
藤枝 悠希
1
Masayuki Obatake
1
,
Yuki Fujieda
1
1高知大学医学部附属病院小児外科
pp.393-397
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000104
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はじめに
ポリエチレングリコール(PEG)は小児慢性便秘症の治療薬として海外のガイドラインではファーストラインでの使用が推奨され1,2),2016年には欧州を中心に37か国で承認されている。国内発売前のPEG製剤は2013年の『小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン』で浸透圧性下剤に分類されている3)が,使用の位置づけははっきりと示されていない。2018年9月に慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)の治療薬として承認されてからは小児便秘症への使用が増加し,その有効性については多くの報告がみられる4~6)。高度あるいは長期間の排便障害を有する児は機能的腸閉塞が疑われると小児外科を専門とする施設に紹介され,その多くはコントロールに難渋する慢性機能性便秘と診断される。
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