特集 小児期精巣関連疾患の診断と治療
傍精巣横紋筋肉腫
木下 義晶
1
Yoshiaki Kinoshita
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科小児外科学分野
pp.997-999
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000583
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はじめに
横紋筋肉腫は将来骨格筋を形成する,あるいは悪性転化後に骨格筋分化能を発現した胎児の中胚葉または間葉組織に由来する悪性腫瘍と考えられる。1972年に設立されたIntergroup Rhabdomyosarcoma Study Group(IRSG)のSoft Tissue Sarcoma Committee(STS)の報告では,1970年に25%であった患者全体の治癒率は1997年まで行われたIRS-Ⅳスタディの結果では76%を示すに至った1)。一連の臨床試験を通して横紋筋肉腫患者の予後は大幅に改善し,再発のリスク(予後因子)を基に,低リスク・中間リスク・高リスクの3つの層別化を行った。その後,IRSGがChildren Oncology Group(COG)に統括され,COG-STSにより低リスク・中間リスク・高リスクに応じた治療を検証する臨床試験が行われた。わが国では2004年に日本横紋筋肉腫研究グループ(Japanese Rhabdomyosarcoma Study Group:JRSG)による層別化治療研究が始まり,低リスク(A群,B群)・中間リスク・高リスクの4群に分類し,前向き研究を行っている。
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