特集 希少固形がんの診断と治療
巻頭言
米田 光宏
1,2
Akihiro Yoneda
1,2
1国立成育医療研究センター外科・腫瘍外科
2国立がん研究センター中央病院小児腫瘍外科
pp.812-814
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000532
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小児がんは成人に比しきわめて発症頻度が低いが,そのなかの「小児希少固形がん」は究極の希少疾患といえる。小児がんの発生頻度は,15歳未満の小児人口100万人に対し100~150人,わが国では年間2,000~2,500人が新規発症する。このうち白血病やリンパ腫などの血液腫瘍と脳腫瘍が約2/3を占めることから,これらを除いた小児固形がん全体でもわが国における「希少がん」の定義である「人口10万人あたり6例未満」を満たす。Rare Cancers of Childhood Treatment(PDQ®)1)によると,米国のRare Diseases Act at 2002において,“rare disease” は20万人あたり1人以下の発症と定義され,すべての小児がんはこの範疇に含まれると記載されている。PDQ®ではrare cancerとして頭頸部7疾患,胸部8疾患,腹部6疾患,泌尿生殖器4疾患,その他8疾患が掲載されているが(表1),このなかには成人に多い上皮性がんが多く含まれている。
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