特集 急性虫垂炎:診断,治療,研究
Antibiotic-free treatment
東間 未来
1,2
,
矢内 俊裕
1
,
益子 貴行
1
,
浅井 宣美
2
,
弘野 浩司
2
Miki Toma
1,2
,
Toshihiro Yanai
1
,
Takayuki Masuko
1
,
Nobuyoshi Asai
2
,
Koji Hirono
2
1茨城県立こども病院小児外科
2茨城県立こども病院超音波診断研修センター
pp.734-737
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000510
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はじめに
筆者が外科医として働き始めたころ,急性虫垂炎の診断は外科医の手(触診)によってなされており,筋性防御の有無で手術適応を決めていた。現在では超音波検査(US)やCTなどの画像診断に依拠することが多いが,それでも5~10%程度のnegative appendectomy(NA,catarrhal appendicitisを含む)率があるといわれている1,2)。小児の急性虫垂炎は進行が早いため手術治療が原則と考えられてきたが,手術待機中に腹部症状が軽快する症例をしばしば経験する。そのような症例に手術が必要なのか,あるいはそもそも虫垂炎の診断が正しいのであろうか。
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