特集 医療的ケア児支援と在宅医療
ストーマを保有する児の就園・就学における課題
保刈 伸代
1
Nobuyo Hokari
1
1東邦大学医療センター大森病院
pp.511-515
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000128
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はじめに
ストーマを必要とする小児は成人に比べ患者数そのものが少なく,一時的保有が大半を占め乳児期にストーマ閉鎖に至ることが多い。乳児期にストーマ閉鎖に至る児が多いという特徴から,ストーマを保有した状態で保育園や幼稚園入園を希望する児は少なく,小学校入学年齢に達する時期までストーマを保有する児も少ない。しかし,少ないながらも長期的(永久的)にストーマを必要とする児が存在する。文献上もストーマを保有した児の就園・就学について述べられているものは少ないが,実際にはこのような児の就園・就学の場面で,保育園入園不可,就園・就学中の家族の呼び出しや活動制限などの問題が生じることがある。このような問題は児にとって集団保育や多くの経験をする機会を失うことであり,保護者が就労をあきらめることもつながる。
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