特集 小児の便秘:最近の知見
自閉症スペクトラム障害(ASD)と便秘症
山本 裕輝
1
,
堀江 貴哉
1
,
佐々木 彩
1
,
鄭 英里
1
,
平川 均
1
,
森 昌玄
1
,
渡辺 稔彦
1
,
上野 滋
1
Yuki Yamamoto
1
,
Takaya Horie
1
,
Aya Sasaki
1
,
Eri Tei
1
,
Hitoshi Hirakawa
1
,
Masaharu Mori
1
,
Toshihiko Watanabe
1
,
Shigeru Ueno
1
1東海大学小児外科
pp.381-384
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000101
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
対人関係が苦手,こだわりが強いなどの特徴がある発達障害はこれまで自閉症,広汎性発達障害,アスペルガー症候群などさまざまな名称で呼ばれてきたが,2013年のアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の発表以降,自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder:ASD)としてまとめて表現されるようになった。ASDは多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害で,人口の0.6~1%に及んでいるともいわれる1)。Poor social communication(コミュニケーション力不足),sensitivity/difficulty(敏感・気難しい),stereotyped behavior(決まりきった行動),restricted interests(興味が限定:「オタク」)の4つの特徴を示す。ASDなどの発達障害の患児は,健常児と比べ便秘を生じやすいとされ,便秘症には子どもの発達特性も関与していると考えられている2)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.