特集 AIとともに育つ医療─小児医療の新しいかたち
診療支援(Clinical Applications) AIの専門分野での具体的取り組みと将来
小児循環器分野におけるAI
植田 由依
1
Yui Ueda
1
1千葉大学大学院医学研究院人工知能(AI)医学
pp.285-287
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002892
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小児循環器領域でのAI活用の現状
小児循環器領域,ひいては小児科の他専門領域においても,臨床現場で即座に活用可能なAI医療機器やシステムはきわめて限定的であり,社会実装という点では未だ途上にあるのが実情である。その背景の一つには,AI学習に不可欠なデータセットが成人に比して乏しいことが挙げられる。小児循環器領域では,対象が新生児から成人[成人先天性心疾患:adult congenital heart disease(ACHD)]までと幅広く,成長に伴う生理的変化も著しい。新生児と中学生では,正常値であっても心拍数,血圧,心臓のサイズが全く異なる。さらに先天性心疾患においては,各疾患の症例数が限られるだけでなく,同一疾患内でも解剖学的・血行動態的なバリエーションが豊富であり,予後や治療方針も多岐にわたる。これらを単一のAIモデルで包括的に扱うことは,従来の手法では困難であった。一方で,データセット構築の困難さに対しては,転移学習をはじめとする新しい手法の開発が進んでいる。これにより,今後は小児の希少疾患においても高精度なAIモデルが構築される可能性が広がっている。

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