特集 小児がん診療の新展開
各論 小児がんに関連する診療の新展開
緩和ケア―こどもを主語に関わるために
余谷 暢之
1
Nobuyuki Yotani
1
1国立成育医療研究センター緩和ケア科
pp.1484-1487
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002767
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緩和ケアの視点から見た小児がん診療
近年,小児がんの治療成績は目覚ましい進歩を遂げている。米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)のデータによると,小児がん全体で5年生存率は85%を超え,再発後の治療選択肢が増えている。その結果,日本における小児がんの死亡数は,2005〜2020年の15年間で年間約350人から約230人へと約3分の2まで減少した1)。
一方で,診断から長い闘病期間を必要とする小児がんを患うこどもと家族は,身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな多岐にわたる負担を抱えている。そのため,緩和ケアが果たすべき役割は大きい。小児がんのなかでも,疾患によって緩和ケアニーズは異なる。

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