特集 小児がん診療の新展開
各論 小児がんに関連する診療の新展開
小児がんのこどもに“豊かな日常”をもたらす心理社会的支援の専門職―CLS,HPS,CCSの育成と雇用の促進をめざして
平田 美佳
1
Mika Hirata
1
1順天堂大学大学院医療看護学研究科
pp.1479-1483
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002766
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はじめに
かつては「不治の病」といわれていた小児がんの治療成績は飛躍的に向上し,医療先進国においては約7〜8割のこどもが治癒あるいは長期生存を果たす時代となった1)。一方,こどものがん治療や治療過程での検査処置のなかで経験する心身の苦痛は非常に大きいほか,制限の多い生活環境での長期入院によって,こどもの生活は“非日常”へと一変する。これらの経験は,心理的トラウマ,成長発達・学業の遅れ,対人関係の困難さ,ボディーイメージの変容,不安・抑うつなど,成長発達途上にあるこどもの心理社会的側面に大きな影響を与え,その影響は長期にわたる2)。

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