特集 小児科医が知っておきたいリウマチ・膠原病の知識と実践
小児リウマチ性疾患のトピックス
小児リウマチ性疾患の成人移行支援
坂東 由紀
1,2
BANDO Yuki
1,2
1北里大学医学部小児科
2北里大学大学院医療系研究科
pp.1323-1325
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002723
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はじめに
小児リウマチ性疾患に分類される疾患群は,多岐にわたる。各疾患の病態については本特集の他稿で詳細に述べられているが,代表的な若年性特発性関節炎(JIA)・全身性エリテマトーデス・若年性皮膚筋炎・小児シェーグレン病を含め,成人期の症例数が圧倒的に多い。希少疾患なおかつ難病であるため,小児期発症者の7割近くが,成人期にも治療が必要となる。そのため膠原病・リウマチ内科を標榜する内科医に引き継ぐが,成人発症と病態や適応薬・治療方針が異なり,移行後の診療がスムーズではなかった1)。したがって,日本小児リウマチ学会(Pediatric Rheumatology Association of Japan:PRAJ)では国行政に提唱し地域での支援制度や疾患ガイドラインの整備を行ってきた2,3)。現在では成人診療科の意識改革も少しずつ進み,互いの診療方針について理解を深めるさまざまな取り組みが進められている。

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