特集 アレルギー疾患―最新治療と生活からの視点
Ⅲ アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の成人移行支援
松原 知代
1
,
米山 俊之
2
1獨協医科大学埼玉医療センター小児科
2順天堂大学医学部附属浦安病院小児科
pp.85-88
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000712
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はじめに
近年,小児期発症の慢性疾患の予後が改善したことにより,小児期に発症した慢性疾患を有する患者が成人になったときに,どのように診療していくのか,小児診療科から成人診療科にどのように移行していくのかが,すべての慢性疾患で問題となっている.2014年に日本小児科学会から「小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関する提言」が発表された1).小児期・思春期から成人期以後では,原疾患の状態に加齢による修飾が加わり,小児科の知識だけでは対応できない.小児期医療から成人期医療への移行途中の移行期医療の重要性が提言された.さらに,2023年,新たな提言が発表されて「成人移行支援」という概念が定義された2).この「成人移行支援」は,疾患や地域の事情によって大きく異なる.本稿ではアトピー性皮膚炎について言及する.
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