特集 常在微生物叢と小児疾患~腸内細菌叢の先にあるもの~
各論 腸内細菌叢と小児疾患との関係
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎,食物アレルギー,気管支喘息,アレルギー性鼻炎)
飯村 周有子
1
,
杉本 圭
2
,
永田 智
3
IIMURA Shuko
1
,
SUGIMOTO Kei
2
,
NAGATA Satoru
3
1東京女子医科大学卒後臨床研修センター
2杉本こどもクリニック
3東京女子医科大学小児科基幹分野
pp.1049-1054
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002516
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はじめに
昨今,常在微生物叢と宿主の免疫に関する研究結果が出てきているが,そのほとんどが成人に関するものである。小児は年齢によって免疫の発達も異なり,常在微生物叢の内容も異なるため,その関連性はより複雑である。本稿の根底にある前提は,① 胎児の免疫はむしろ過剰である,② helper T細胞(Th)はアレルギー疾患を発症しやすい特性をもつ,ということである。
以下にその前提をふまえて,小児期の免疫機構の成り立ちとアレルギー疾患の発症および免疫構築の立役者である腸内細菌叢との関連について述べる。

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