特集 入門! アタッチメントと小児期逆境体験を知る
アタッチメント障害・小児期逆境体験・トラウマ関連障害への対応~基本をおさえる
一般小児科だからこそできるアタッチメント障害やトラウマ関連障害の対応
木下 直俊
1,2
KINOSHITA Naotoshi
1,2
1兵庫県中央こども家庭センター
2兵庫県立ひょうごこころの医療センター
pp.915-918
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002479
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
一般小児科で「アタッチメント障害やトラウマ関連障害の対応をお願いします」と言われたら,多くの場合「それは専門外だ。難しい」と思われることだろう。しかし,以下のような場面を想像してみていただきたい。
予防接種のため,母親と小児科医院にやってきた3歳児Aくん。アタッチメントの問題があるA君は,怒鳴って注意する母親を見ようともせず,叫びながら待合室を走って逃げ回っている。とうとう小児科医が待合室に出てきて「静かに!」と一喝,医師と看護師が泣き叫んでいやがるA君を診察室に抱えて連れて行き,抑え込んで注射し,母に対して「ちゃんとしつけしてくださいね,お母さん」と怒鳴りつけんばかりの勢いで伝えた。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.