特集 漢方で支える子どものQOL
総論
小児における漢方医学的な診察と処方選択の考え方
木許 泉
1
KIMOTO Izumi
1
1医療法人広瀬クリニック
pp.254-258
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002276
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はじめに
漢方医学における診察とは,医師の視覚,聴覚,嗅覚,触覚の4つの感覚による,漢方医学独特の理学的診察法を駆使して,患者の病因・病態を把握することである。また診断した総合的な所見を,患者の「証(しょう)」とよんでいる。証は,西洋医学的な病名ではなく,漢方医学的な病態を意味する用語である。小児に漢方治療を行うときは,簡単な証をたてるとともに,漢方医学的な視点から小児の諸症状を総合的に捉えることがより重要である。

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