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特集 小児臨床検査2024
Ⅺ.自己抗体検査
1.リウマチ性疾患に関連する自己抗体 4)若年性特発性炎症性ミオパチー,筋炎特異的自己抗体
Juvenile idiopathic inflammatory myopathy, myositis-specific autoantibody
小林 一郎
1
Ichiro Kobayashi
1
1KKR札幌医療センター小児科
キーワード:
若年性皮膚筋炎
,
免疫介在性壊死性ミオパチー
,
筋炎特異的自己抗体
Keyword:
若年性皮膚筋炎
,
免疫介在性壊死性ミオパチー
,
筋炎特異的自己抗体
pp.358-361
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001957
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はじめに
皮膚筋炎(dermatomyositis:DM),多発性筋炎(polymyositis:PM),免疫介在性壊死性ミオパチー(immune-mediated necrotizing myopathy:IMNM),および他の膠原病に合併する筋炎を包括して特発性炎症性ミオパチー(idiopathic inflammatory myopathy:IIM)とよばれている1)。小児と成人では臨床的特徴や予後に違いがあり,18歳未満で発症した場合には若年性(juvenile)とし,若年性皮膚筋炎(JDM),若年性多発性筋炎(JPM),若年性特発性炎症性ミオパチー(JIIM)などと表記される。近年,筋炎特異的自己抗体(myositis-specific autoantibody:MSA)や筋炎関連自己抗体(MAA)は,それぞれ特徴的な臨床像や予後と関連することがわかってきた(表1)1~3)。これらの抗体の特異性は高く,臨床的に皮膚症状が明らかではないがDMに特異的な自己抗体が存在する症例,PMとIMNMが生検や自己抗体によってしか鑑別できない症例,DMに特徴的な皮膚所見を呈しながら臨床的に筋炎所見がないclinically amyopathic DM(CADM)の診断にも有用である。MSAの陽性頻度には民族差があり(表2)1~3),また同じ抗体でも成人と小児で臨床的意味合いが異なるものがあるため,解釈には注意を要する(表1)1~3)。
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