特集 思春期医療に向き合う~苦手意識からの脱却
総論
思春期の特性と必要な配慮 思春期の身体的特性
鹿島田 健一
1
KASHIMADA Kenichi
1
1東京医科歯科大学発生発達病態学分野
pp.1307-1312
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001823
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はじめに
思春期は小児期から,性ホルモンの作用により身体が生殖能力を獲得する変化をきたす時期を指し,このうちとくに身体的変化に注目したものを二次性徴とよぶ。二次性徴は性ホルモンの作用によりもたらされ,それぞれの性に応じた生殖能力を獲得するとともに,性の身体的な「らしさ」を獲得する時期でもあり,成人へと精神的に成熟するうえできわめて重要である。また二次性徴は生殖能力獲得以外にもさまざまな生理的意義をもつ。代表的なものは成長のスパートや,骨塩量の増加,男性ホルモンによる蛋白同化作用や筋肉形成,女性ホルモンによる脂肪組織形成などである(図1)。
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