特集 酸塩基平衡異常―基本と管理
各論 代謝性アルカローシスの病態と治療
利尿薬
金 基成
1
KIM Ki-Sung
1
1国立成育医療研究センター循環器科
pp.1135-1137
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001769
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はじめに
「おしっこは出てる?」
PICUの回診で,小児循環器内科のカンファランスで,その言葉を聞かない日はない。尿量は心拍出量,とくに腹部臓器への血流量の重要な指標である。とりわけ循環器疾患では,心筋炎や心筋症,開心術後などの心臓ポンプ機能障害でも,短絡を伴う先天性心疾患でも,低心拍出は常に問題となる。本質的治療としては強心薬などを使用し心拍出量の改善を図ることになるが,対症療法としての利尿薬投与もまた必要であり,尿量を確保することで心負荷を軽減,肺うっ血や浮腫を改善することができる。集中治療の場では静注利尿薬が,慢性期管理では内服利尿薬が主として使用されるが,常に副作用への注意が必要になる。副作用の理解には各利尿薬の作用機序の理解が欠かせない。
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