特集 完全把握をめざす小児の心疾患
後天性心疾患
感染性心内膜炎
土橋 隆俊
1
TSUCHIHASHI Takatoshi
1
1川崎市立川崎病院小児科
pp.661-665
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001633
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はじめに
感染性心内膜炎(infectious endocarditis:IE)は,心内膜,弁膜や大血管内膜,あるいは,これらに関連した組織が感染をうけ,細菌集簇を含む疣腫(vegetation)を形成し,菌血症,血管塞栓,心障害など多彩な臨床症状を呈する敗血症性疾患である。加療しない場合には致死率の高い重篤な疾患であり,適切な検査および適切な抗菌薬の選択を行っても長期の抗菌薬投与が必要で,改善しない場合は迷わず手術を選択せねばならない。ただし,発熱や全身倦怠感が先行し,必ずしも鑑別疾患の上位に挙がらない可能性がある。先天性心疾患の短絡をもつ多くの疾患では,不明熱を認めた場合は必ず疑うべき疾患である。
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