特集 完全把握をめざす小児の心疾患
後天性心疾患
小児の心筋症
武田 充人
1
TAKEDA Atsuhito
1
1北海道大学大学院医学研究院小児科学分野
pp.657-660
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001632
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拡張型心筋症
1.概 念
拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy:DCM)は,左室のびまん性収縮障害と左室拡大を特徴とする疾患群と定義され,慢性心不全や不整脈を特徴とし,5年生存率は50%と予後不良の疾患である1)。乳児期早期から成人以降まですべての年齢層において発症し,急性心不全症状を呈して診断されることがほとんどである。乳児では哺乳不良,嘔吐,体重増加不良,顔色不良,易疲労といった症状を呈し,急性胃腸炎の症状と類似するため見逃される場合もある。
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