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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
J.膠原病
混合性結合組織病
Mixed connective tissue disease
金城 紀子
1
Noriko Kinjo
1
1琉球大学大学院医学研究科育成医学(小児科)講座
キーワード:
mixed connective tissue disease
,
MCTD
Keyword:
mixed connective tissue disease
,
MCTD
pp.828-832
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001346
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1 疾患概念
混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)は,1972年に米国のSharpら1)によって提唱され,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)様,強皮症(systemic sclerosis:SSc)様,多発性筋炎/皮膚筋炎(dermatomyositis/polymyiositis:PM/DM)様などの所見が混在し,U1 small nuclear ribonucleoproteinに対する抗体(抗U1-RNP抗体)が高力価となる新しい疾患として報告された。しかし,欧米ではMCTDという疾患概念が十分に認識されているとはいえなかった。わが国では,1987年に厚生労働省(厚労省)特定疾患混合性結合組織病研究班よりガイドラインが作成され,1993年に厚労省により特定疾患に指定されたことから,病名は広く認知された。一方,共通認識や変化する病態に関してコンセンサスは得られていなかった。2004年改訂版2)は,MCTDの定義について検討されたが,発症時の診断感度が30%と低く,小児患者の診断が困難であることから,Miyamaeら3)が2008年に報告した新しい小児MCTD診断基準案をもとに,日本小児リウマチ学会が新しい診断基準を作成し4),2015年から開始された小児慢性特定疾病制度で使用されている。さらに,本疾患が小児~成人,高齢者にいたるまで発症機会があるため,共通の診断基準として「MCTD改訂診断基準2019」が報告され5)(図1)2),MCTD診療ガイドライン20216)が発表された。
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