特集 小児日常診療でその薬を使うとき・使うべきでないとき
VI 消化器
66.肛門周囲膿瘍と漢方薬
大谷 俊樹
1
1かみざきキッズクリニック
キーワード:
東洋医学
,
排膿散及湯
,
禁忌(治療)
,
証
,
気虚
,
直腸肛門周囲膿瘍
Keyword:
Medicine, East Asian Traditional
pp.1646-1647
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017086338
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肛門周囲膿瘍の従来の治療法は膿瘍に対する切開・排膿,そして抗菌薬の投与であった.この方法でそのまま治癒することもあるが,その後陰窩から皮膚に瘻孔を形成し乳児痔瘻となって,治療に難渋することも少なくない.従来の乳児痔瘻の治療は,鋭匙を用いて瘻孔の掻爬を行うことで強い痛みを伴い,また頻回の通院を要するため,患児ならびに家族にとって大きなストレスとなっていた.この領域における漢方の応用は,この慢性化して治療に難渋した乳児痔瘻に対する十全大補湯から始まり,さかのぼって肛門周囲膿瘍への排膿散及湯の投与が行われるようになった.
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