特集 ワクチンup to date
各論
子宮頸がん(HPV)ワクチン わが国におけるHPVワクチンを巡る流れ
田中 敏博
1
TANAKA Toshihiro
1
1静岡厚生病院小児科
pp.1460-1464
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001097
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はじめに
子宮頸がんという疾患は,ウイルス感染症の一合併症として位置づけることができる。ほかの多くの感染症とそれに対するワクチンが示してきた実績を考えれば,ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)への感染の予防対策としてのワクチン,その接種による子宮頸がん罹患の予防,という構図は,理解困難なものではない。このことを自然な形で受け入れ,期待して実践し,しだいに実績を示しつつある世界の潮流である。それとはかけ離れた形で,2013年6月以来の約10年を経て,現在の日本のHPVワクチンを取り巻く状況があることは周知のとおりである。わが国におけるHPVワクチンを巡る流れを振り返り,今後の展望を考える礎となることを願う。
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