症例
急性発症後に早期診断・転院搬送を行い救命しえた遅発性先天性横隔膜ヘルニアの1例
栗澤 未央ジューン
1
,
堀井 百祐
1
,
中村 英記
1
,
平野 至規
1
,
室野 晃一
1
,
石井 大介
2
,
宮城 久之
2
,
平澤 雅敏
2
KURISAWA Mio June
1
,
HORII Moyu
1
,
NAKAMURA Eiki
1
,
HIRANO Yoshiki
1
,
MURONO Koichi
1
,
ISHII Daisuke
2
,
MIYAGI Hisayuki
2
,
HIRASAWA Masatoshi
2
1名寄市立総合病院小児科
2旭川医科大学外科学講座小児外科
pp.1383-1386
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001065
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
先天性横隔膜ヘルニア(congenital diaphragmatic hernia:CDH)とは,先天性に横隔膜が一部欠損していることにより腹腔内臓器が胸腔内に脱出し,肺の低形成や呼吸障害,新生児遷延性肺高血圧症をきたす疾患である。その発生頻度は2000~4000出生数に対して1例とされている1)。近年は胎児診断され,出生直後から高頻度振動人工換気(high frequency oscillatory ventilation:HFO)や体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)などの集中治療をされる例が増えていることで予後は向上しているが1),肺低形成が重度の場合は合併奇形を伴わない単独例でも死亡率が10%といまだに予後不良の疾患である1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.