今月の主題 酸・塩基平衡異常—その日常臨床とのつながり
消化器と酸・塩基平衡異常
嘔吐
長谷川 博
1
1国立がんセンター・外科
pp.202-205
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205307
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嘔吐には,非常に興味深い2つの問題点がある,その1つは病態生理学的なもので,大量の嘔吐に際しては低K(低Cl)alkalosisという面白い病態がほぼ必発しており,下痢などによる脱水よりも病態生理学的な異常が強い--腎の濃縮力,EKGにまで変化が及んでいる--ということである.またもう1つは,治療面での問題点であって,嘔吐に対する輸液として市販のbalanced electrolyte solutionを使うと,ほぼ例外なく「逆療法」(間違った治療)になるという点である.
そこで本稿では,この点に焦点を合わせて,正しい理解と治療を論じてみたいと考える.
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