特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
総論:診療を巡ってあれこれ
小児心身症へのBio-Psycho-Socialアプローチとは?
稲垣 由子
1
INAGAKI Yuko
1
1明石こどもセンター
pp.923-926
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000946
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はじめに
子どもは生物学的な基盤のもとに,人間関係をはじめとした環境すべてから刺激を受けながら社会の一員として自立していく過程にある。その際に,ストレスを受けながらもなんとか成長発達しようとしている子どもがいる。心理社会的要因がストレッサーとなり,子どもにストレスを与えるのであるが,ストレス反応は「生体の恒常性」を保持しようとする反応として理解されている。その際,子どもがもつ個人的な生物学的・心理的特性が影響を及ぼし心身症や心理・行動上の問題として出現し,時として不適応状態に陥る。子どもはストレスを解消しようとする作業を積み重ねながら成長発達していくことになるが,年齢相応の心理的発達の揺らぎから自律神経系,内分泌ホルモン系,免疫系の活動が乱れて身体症状を呈する。
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