連載 診療所運営,七転び八起き4
現実の諸相
三枝美 樹夫
1
1かなまち慈友クリニック
pp.62-65
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900084
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長かったトンネルをやっと抜け出したかのようにクリニックが再スタートして安堵したのも束の間だった。私は医師の人となりをつかめずに,どのように組んでよいのかわからないまま時が過ぎていった。
前号で述べたように,患者の処遇をめぐって譲れないこと,妥協できないことが多々あり,その都度伝えてきたつもりだ。しかし,うまく表現できず,医師との関係がぎくしゃくする毎日だった。私が去るか医師に辞めていただくか,それしかないと幾度も考えた。極論すぎるが,他の選択肢はなかった。それが可能な状況であって,しかも理事長に申し入れられる自分であったなら、私は違う生き方ができていただろう。
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