特集 感染症の新たな脅威
新興・再興感染症の現状と課題
渡邉 治雄
1
1国立感染症研究所
pp.438-443
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208213
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新たな感染症が世界のどこかで毎年のように発生している.最近は,重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome;SFTS),中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome;MERS),鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染症,デング熱,エボラ出血熱,カルバペネム系抗菌薬耐性腸管系細菌感染症(Carbapenem-resistant Enterobacteriaceae;CRE)などの話題に事欠かない.2014年の夏から秋にかけて,日本で70年ぶりにデング熱の国内感染例が発生した.また,2014年初頭から西アフリカ(ギニア,リベリア,シエラレオネ)を中心に発生したエボラ出血熱は,2015年4月22日までに患者数が2.6万人,死者1.1万人になろうとしており,いまだに制圧されていない.今や,一国で発生した感染症は瞬く間に世界に拡大し,人々の生活に大きな影響を及ぼしている.これら感染症との闘いは止むことはないのが現状である.
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