特集 新しい時代の小児感染症
各論:原因微生物別
細菌
黄色ブドウ球菌
遠山 雄大
1
TOYAMA Yudai
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院小児科
pp.585-588
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000851
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黄色ブドウ球菌の特徴
1.概 要
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus:S. aureus)は,ヒトや動物における常在菌の一つとして一般的な細菌であるが,さまざまな感染症の原因菌としても重要である。黄色ブドウ球菌はコアグラーゼを産生するグラム陽性球菌であり,皮膚や鼻腔,陰部,消化管などに定着する。健康成人における保菌率は約30%といわれており1),近年のOishiら2)の報告では,健康な小児の約40%で咽頭から黄色ブドウ球菌が検出されている。
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