増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法
グラム陽性球菌
黄色ブドウ球菌—Staphylococcus aureus
仁木 誠
1
1大阪市立大学医学部附属病院感染制御部
pp.246-249
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208284
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Summary
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)はブドウ球菌(Staphylococcus)属において,臨床上最も重要な菌種であり,組織への直接的な侵入により皮膚軟部組織感染症や感染性心内膜炎など,また,産生する毒素により食中毒や毒素性ショック症候群などさまざまな感染症を引き起こす.
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は院内で分離される薬剤耐性菌として最も分離頻度が高く,β-ラクタム系抗菌薬をはじめ多くの抗菌薬に耐性を示すことや,免疫能の低下した患者に感染しやすいことから院内感染対策上重要な菌として認識されている.
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