特集 分子標的薬を極める
各論
血液疾患・悪性腫瘍 小児悪性腫瘍における分子標的薬の現状と課題
加藤 格
1
KATO Itaru
1
1京都大学医学部小児科
pp.257-261
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000770
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はじめに
小児の死因の多くを占める小児悪性腫瘍は治療法の発達から治療成績が向上しており,現在の目標はさらなる治癒率の向上と,合併症なき治癒であるといえる。臨床現場では,殺細胞性抗がん薬,放射線療法,手術療法に加えて,近年開発されたがん免疫療法や分子標的薬を適正に組み合わせることにより合併症なき治癒を目指す試みがなされている。日々新たな分子標的薬が開発されているが,誌面の都合上,各薬剤の詳細は専門書や論文に譲り,本稿ではわが国で使用可能な小児悪性腫瘍に対する主な分子標的薬について概説し,新規薬剤開発が現在抱える問題と今後の展開について言及する。
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